初診時

他医院で治療をした保険による銀色の詰め物があります。保険による銀歯は精度(適合)が一般的に悪く隙間が生まれ、そこから虫歯の再発に繋がる要因となります。見た目では解りませんが、レントゲンを撮影すると銀歯の下に隠れて広がっている虫歯がありました。

現状と治療計画

主訴として白くしたいと言われた奥歯 (左下6番)は、他医院で保険による治療を受け保険の金属で治療されていましたが、デンタルドックで検査すると、銀歯の下で虫歯の再発が認められました。
一般的に銀歯を白くする治療ではセラミッククラウン、セラミックインレーが選択されることが多いのですが、この患者さんは健康な歯質が充分に残せること、切削範囲が隣接面(コンタクト)に及ばないことから、今回はコンポジットレジンによるダイレクトボンディングをご提案致しました。

ラバーダム防湿法による虫歯の除去

保険治療で歯医者さんに通っていると、まず見ることがないのがこのラバーダムだと思います。文字通りゴム性のシートで、これに穴を開け治療する歯だけを出します。他の歯やお口の中に虫歯菌や削りかすが飛散することを防ぎます。特に歯の根の治療にはラバーダムは必須です。事実、欧米では根管治療では義務的に使用されますが、日本での使用率は低く、自由診療による根管治療で辛うじて利用するドクターが一定数存在するという程度と限られています。

一見きれいに虫歯が無くなっているように見えた歯も、こうしてう蝕検知液(虫歯があると色が残る)を使うと、まだまだ色が残っていることがわかります。高速のドリルで健康な歯質を一気に削り取ることはせず、金属製の小さな耳かきのような器具(エキスカベーター)で虫歯を丁寧に取りのぞいていきます。

いかがでしょうか？ 健康な歯質までも一気に削って土台にしてしまうセラミッククラウンと比較して、虫歯だけを取りのぞいて白い歯で治療するコンポジットレジンによるダイレクトボンディングの違いがお分かり頂けると思います。名取歯科医院ではいわゆる CR 治療においても、デンタルドックによる精密検査、ラバーダム防湿法による基本に忠実な虫歯治療、健康な歯質を最大限温存する低侵襲な歯科治療を機能性と審美性を両立して提供いたします。