患者さんは20代の女性で、どの歯科医院でも矯正治療を勧められたそうですが、前歯の隙間を矯正治療せずに治して欲しいと来院されました。デンタルドックによる精密検査の結果、矯正治療で歯を動かさなくても治療できると判断し、ダイレクトボンディング(レジン)による治療を選択し、1日で治療を終えました。
治療ステップ

初診時

患者さんのお話を伺うと他院では、ダイレクトボンディングをしても直ぐに取れたり汚くなると言われ、セラミックスのクラウン(被せもの)、または矯正治療を薦められたそうです。しかしレントゲン写真のように患者さんの歯は健全歯ですので、健康な歯を削ってセラミックスを被せるのは時期尚早であると考え、ラバーダムを施したうえでダイレクトボンディングを施し、噛み合わせを調整する治療が、現時点では患者さんにとって最善と判断しました。

治療後
ダイレクトボンディングというと簡易的な審美治療と思われがちですが自由診療で使用するボンディング剤は、健康な歯質を削ることなく審美性を回復できる優秀な治療です。
ダイヤモンドと同等の堅さを持つセラミックスに比べると弱い材質ですが、噛み合わせの適切な処置をおこなえば直ぐに取れることはありません。自由診療のボンディング剤は保険診療のレジンと異なり、高い色づき耐性をもっています。
治療費用ばかりを喧伝する歯科診療所もありますが、患者さんの本当のメリットは、健康な歯質を削らず審美歯科治療をできる部分です。歯は一度削ってしまうと決して自然に治ることはありません、ですからできるだけ歯を削らない低侵襲な治療を第一選択とすることが最も大切です。
治療費
デンタルドック | ¥55,000 | 1 | ¥55,000 |
ダイレクトボンディング | ¥55,000 | 2 | ¥110,000 |
合計 | ¥165,000 |
紹介した治療内容
症例紹介について
治療費について
すべての治療が保険外診療となります。価格と税率は治療当時のものとなります。治療前にデンタルドック(55,000円)が必要です。
治療リスクについて
治療中に一時的な咬合痛や冷温水痛、若干の歯肉の腫れ、発赤などを生じることがあります。また仮歯の時期には仮歯の脱離や破損の可能性、舌感などに違和感を感じることがありますが、本歯に移行するまでに通常消失します。
※すべて症例による違いや個人差があります。
掲載写真について
すべて名取歯科医院での臨床写真で、見た目を変える画像加工は行っておりません。またメーカーや学会誌からの転用はございません。掲載写真は実際に治療を行った患者さんの同意を得て、治療を検討する方への情報提供と啓発を目的として公開しています。
噛み合わせと定期検診について
審美治療の終了後は、必ず定期検診をお受け頂きます。これは顎関節を含む噛み合わせの安定を出来るだけ長期にわたって維持して頂くためです。噛み合わせの安定は治療箇所の長期予後(長持ちする治療)におして不可欠です。
メタルフリーとマイクロスコープについて
金属を使用しないセラミックス、ファイバー、レジンによるメタルフリーの審美修復治療です。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った拡大視野による治療により修復物の適合性を高めることは虫歯や歯周病の再発抑止に有効です。