患者さんは30代の男性で、名取歯科医院でインプラント治療を以前行いましたが今回、左下の親知らず(智歯)が露出し痛みを感じるとの事で再来院されました。口腔内を拝見すると親知らずが水平埋伏で一部、歯ぐきから露出しています。このような状態は露出部分に物が詰まりやすく歯周病やむし歯の温床となり炎症(痛み)に繋がります。 親知らずの抜歯は処置の時間が短いほど、患者さんの負担も少なくなります。今回は抜歯と同時に周辺の修復を促進させる再生療法(CGFによるフィブリンゲルの挿入)も含め、約30分で親知らずの抜歯を終えました。
治療ステップ
初診時
この患者さんは以前に名取歯科医院でインプラント治療を行っており、デンタルドックによる基礎データは保管済であったため、口腔内診察とパノラマレントゲンによる診断で治療を開始しました。左下の親知らず(智歯)はもともと水平埋伏でしたが、来院時は一部が歯ぐきから露出し炎症も生じている状態でした。半埋伏の歯はお手入れが難しく、歯垢などの汚れがたまりやすい場所のため、丁寧なセルフケアを心がけていても痛みに繋がることが少なくありません。
このように親知らず(智歯)は虫歯や歯周病・咬み合わせの不調などトラブルを起こしやすい歯です。名取歯科医院では、自家歯牙移植や歯髄幹細胞の培養(再生医療)などの特殊な場合を除いて、原則的に親知らず(智歯)は抜歯をお勧めしています。
精密検査
デンタルレントゲンで歯の向きや大きさなどを確認します。この患者さんは親知らず(智歯)が横向きに生えている水平埋伏で、隣の歯(第2大臼歯)を押しだしていました。
抜歯
麻酔をして親知らず(智歯)の周りの歯ぐきを切開します。半埋伏の歯はそのまま引き抜くことはできないので、歯を分割して抜く必要があります。歯の頭を周辺ごと切断し除去してから歯根を抜歯しました。このように水平埋伏の親知らず(智歯)抜歯も手順良く処置することで、できるだけ患者さんの負担を少なくすることができます。また下顎には下顎管と呼ばれる神経と血管のとおる大きな管があります。抜歯処置の際に下顎管を損傷しないようデンタルドックによる CT を含めた精密検査での確認、丁寧な抜歯処置が大切です。
縫合
抜歯窩(親知らずを抜歯した穴)に、患者さんから採取した血液を精製したフィブリンゲルとコラーゲンを挿入し縫合しました。このフィブリンゲルは(CGF)、添加物を一切用いない完全自己血液由来の血小板や成長因子を多く含んでいます。抜歯部分に挿入することで、薬品アレルギーや感染のリスクを抑えながら修復を促進し、親知らず抜歯後の腫れと痛みを軽減します。
治療費
親知らずの抜歯 | |||
親知らずの抜歯(半埋伏のもの) | ¥44,000 | 1 | ¥44,000 |
CGF療法(再生療法) | ¥33,000 | 1 | ¥33,000 |
合計 | ¥77,000 |