患者さんは10代の男性で、自転車で転倒してしまい前歯が欠けてしまったとのことでご来院されました。デンタルドックによる精密検査の結果、幸いにも歯の神経までには至っていなかったため、ダイレクトボンディングによる治療を選択しました。治療日にはDTR (噛み合わせ)治療もふくめて1日で治療を終えました。
治療ステップ
初診時
自転車での転倒により、右前歯が欠損したとのことでご来院されました。名取歯科医院にご来院される前、他院の診断では神経も抜いてセラミッククラウンでの治療と言われたとのことですが、デジタルレントゲンと CT 撮影での精密検査を行ったところ幸い歯の神経までダメージは至っていなかったため、1日で終了するダイレクトボンディングでの治療をご提案しました。
精密検査
デジタルレントゲンで欠けた前歯を確認します。このように右上の前歯が大きく欠けていますが、神経までは虫歯が達していないことがデジタルレントゲンで確認できました。
デンタルドックによる精密検査のデータを元に、前歯の治療では名取歯科医院ではモックアップ模型を制作します。これは模型上で咬合などの機能性と歯牙形態などの審美性を立体物として確認するためです。デジタルデータだからといってモニター上で完結することなく、ダイレクトボンディングであっても手間暇を惜しまず基本に忠実な治療を提供します。
治療計画
前歯の欠損については神経を残し保存することができるコンポジットレジンによるダイレクトボンディングによる治療としました。
お話しを伺うと以前、他院で治療したあとに詰めものが外れてしまった経験が都合3回あったとのことで精密検査の結果、確かに咬み合わせにも若干の問題が見られたため、欠けた前歯のダイレクトボンディングに加え咬合調整 (DTR デジタル咬合調整)も含んだ治療計画をご提案致しました。
ダイレクトボンディング治療
他院で3回も詰めたところが欠けてしまっている経験があるとのことでしたので、接着を確実にするためラバーダムを用いて、歯の汚れている部分を時間をかけて丁寧に除去しました。コンポジットレジンを3色使ったレイヤリング効果で天然歯の自然な色を再現します。その後、研磨を行って艶出しも行いました。
(保険治療では1色しか使用できないので、このような自然な歯の色は出せません)
デジタル咬合調整(DTR)
詰めたコンポジットレジンでのダイレクトボンディングが、咬み合わせの不具合で外れてしまわないよう、デジタル機器を使った DTRによる咬合調整を行いました。
治療費
ダイレクトボンディング | |||
デンタルドック | ¥28,000 | 1 | ¥28,000 |
モックアップ模型 | ¥5,500 | 1 | ¥5,500 |
ダイレクトボンディング | ¥44,000 | 1 | ¥44,000 |
デジタル咬合調整(DTR) | ¥55,000 | ¥55,000 | |
合計 | ¥132,500 |
症例紹介について
治療費について
すべての治療が保険外診療となります。価格と税率は治療当時のものとなります。初診カウンセリング費用は無料ですが、治療前にデンタルドック(55,000円)が必要です。
治療リスクについて
治療中に一時的な咬合痛や冷温水痛、若干の歯肉の腫れ、発赤などを生じることがあります。また仮歯の時期には仮歯の脱離や破損の可能性、舌感などに違和感を感じることがありますが、本歯に移行するまでに通常消失します。
※すべて症例による違いや個人差があります。
掲載写真について
すべて名取歯科医院での臨床写真で、見た目を変える画像加工は行っておりません。またメーカーや学会誌からの転用はございません。掲載写真は実際に治療を行った患者さんの同意を得て、治療を検討する方への情報提供と啓発を目的として公開しています。
噛み合わせと定期検診について
審美治療の終了後は、必ず定期検診をお受け頂きます。これは顎関節を含む噛み合わせの安定を出来るだけ長期にわたって維持して頂くためです。噛み合わせの安定は治療箇所の長期予後(長持ちする治療)におして不可欠です。
メタルフリーとマイクロスコープについて
金属を使用しないセラミックス、ファイバー、レジンによるメタルフリーの審美修復治療です。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った拡大視野による治療により修復物の適合性を高めることは虫歯や歯周病の再発抑止に有効です。