いままでこのiTeroのご説明をしてきましたけれども
このiTeroは矯正専門医から私たちのような一般歯科医まで、
さまざまな歯科医師が使っていますが、使い方は違います。
なぜかというと矯正の先生はは歯を動かすことをとても大切にします。
逆に言えば、歯を動かすことに特化しているということで、削ったり詰め物をしたりということは
絶対にしません。
でも私たちのような歯科医師は歯を動かした後に、かみ合わせを治療前と同じように
またはよりうまく作るために、歯を調整したり削ったりということをします。
歯を動かしただけだと絶対にきちんとしたかみ合わせは出来ないのです。
なぜかというと歯を動かすのは「何ミリうごかしますよ」とかミリ単位です。
ほんのちょっと削ったりしてかみ合わせをつくっていきます。
矯正の先生は、そのようなことをしませんが、歯科医師、とくに名取歯科医院では
iTeroを使って細かなかみ合わせの調整をします。
なぜかというと、矯正をやっただけですときちんと並んだものも戻る場合があります。
そのためにかみ合わせを調整します。
一番噛むことの基軸、ベースになっている歯の顎関節です。
顎関節は肘や膝と同じ関節で、関節の中には軟骨と言う柔らかい組織があります。
この軟骨があるからスムーズに関節は動きますが、人間は機械ではないので、
毎回動かすたびに全く同じところに戻ってはきません。
顎も同じで噛むたびに少しずれます。
iTeroを使うのはあくまでもシミュレーターとして、手段の一つです。
こういう機械を使ってもかみ合わせをきちんと作るためには、最終的に歯を少しずつ削るなど
調整が必要です。
iTeroを入れたからすごいことではなく、いかに使うか、活用しているからが
大切なのです。