本質を見ることの大切さ

先日、ある会社のCEOのについて記事を目にする機会がありました。
彼は「本質を見る」ことの重要性をたびたび口にしており、ある講演で「ベストではない環境にあっても、根本的な解決を図るという気持を持ち続けなければならない。私は常に、根本的に解決したか、表面をなぞっているだけではないかと自分に問いかけている」と語ったそうです。
名取歯科医院の院長である私も、今年で歯科人生30年を越え、その経験から歯科治療の何たるかを知る歳でもあると思いますが、この言葉に深く思うことがありました。

残念ながら現在の日本の歯科治療は、根本的な解決ではなく、表面的な診断でインプラントをや、セラミッククラウンを被せるなど、表面をなぞっている治療に終始しているように感じます。
それでは治療をしてもしてもその後でまた別な場所にトラブルが起きたり、せっかく被せたセラミッククラウンが外れてしまい、さらには痛みがでるなどのトラブルが起こってしまうのではないでしょうか。

インプラント治療、セラミック治療をはじめとした治療は、手段でしかありません。
私たち歯科医師が治療をするうえで考えなければならないのは、患者さんの歯とお口の問題を解決することです。治療前に「なぜ今のような状況が起こってくるのであろうか」という診断をきちんとした上で「どう治療すべきか」を考えること。
治療ばかりが先行してしまうのは患者さんにとって決して良い事ではないはずです。

そのために、一番大切なのは治療よりも診断であり、正しい診断を下すための検査です。
事前の検査にきちんと時間を掛けることが、治療成功のかぎになると名取歯科医院は考えています。