インプラント、その歴史の生き証人
先日、初診でいらした患者さんですが、この患者さんはなんと40年以上前にインプラント治療を受けられたとのことで、それが最近調子が良くないと来院されました。40年というと、インプラントが日本で行われ初めた初期の頃ではないでしょうか。
流石に40年経ちますと様々な問題が出てくるのはある意味、仕方の無い事です。
実際に治療を開始してみるとパッと見ではわからなかったのですが、インプラントに少し力をかけるとグラグラと動いていました。インプラント治療では、顎骨の中に歯根部(インプラント体)を埋め込み、その歯根部が顎の骨としっかり結合することが大切です。この患者さんの場合、インプラントと骨が結合していなかったか、どこかの時点で歯根部と骨の結合がはがれてしまったと思われます。このような状態は身体にインプラントが受け入れられてないということですので、除去するしかありません。
インプラント除去後、1ヶ月経った後に、再度インプラント治療を行う予定です。
板状の形態をした約40年前のインプラント
円柱状の形態をした現在のインプラント
ご覧の通り、形が全く違います。このように40年の間に、様々な歯科治療技術の進歩、新しい素材の開発があり、その積み重ねが、今日の歯科治療を、患者さんの健康を支える助けになっているのだと改めて感じました。